家族葬の実際

 自由な発想で、自由な葬儀をできるのが家族葬の最大のメリットです。ご家族が納得できるようお考えください。下記はそういった家族葬でよくある施行例です。

(1)家族葬は、宗教の有無や宗派を問いません。
(2)家族葬の主な参列者は、家族・親族と親しかった友人などが当てはまります。
(3)家族葬においては香典は受け取らないこともあります。ただし、親戚などには無理をせず理解をしていただく必要があります。
(4)家族葬では会葬礼状や会葬返礼品も必用のないことが多くあります。
(5)家族葬の式場は自宅、貸し式場、公民館、集会所などさまざまです。ご希望の葬儀にピッタリな葬儀式場を選ぶことができます。
(6)家族葬への参列では、かしこまった服装にこだわることはありません。

直葬の実際

 直葬の一般的な手順
(1)病院からご自宅あるいはご遺体保管所への搬送
(2)納棺や役所手続きなど
(3)死後24時間以降に火葬・拾骨

 直葬に必用なもの
(1)棺
(2)骨壷
(3)遺影(選択)
(4)位牌(選択)
(5)納棺花・出棺花(選択)

 直葬の場合にも、ご自宅へお帰りになることができれば「枕飾り」を用意してお線香を上げたり、お坊さんをお呼びして読経をお願いしたり、戒名をいただいたりすることもできます。しきたりや風習に倣うことは大切ですが、それらにとらわれない柔軟な対応が可能です。

家族葬の意義

 人が人になったのは、他者の死を見て「いずれ自分にも死がやってくる」ことを認識したときからだといわれます。生物学者によると自分の死を予見できる生物は人間だけだそうです。死にたいする恐怖から、他者の死をいたむ気持ちが生まれました。数十万年前にネアンデルタール人は埋葬をしていました。化石による葬儀の最も古い記録です。また、死にたいする恐怖から宗教が生まれました。。死を認識するということは、人間の精神生活に計り知れない大きさと重さを持っています。

 老人は昔は自宅で息を引き取るのが普通でしたが、今では死は病院での出来事です。死は日常生活から遠いものとなってしまっています。人の命を粗末にする社会の現状を見るたびに、なにか大きな間違いがあるのではないそう思わずにはいられません。

 アラスカエスキモーは、老人は死が近づくと聖職者と家族を呼び集めます。聖職者の祈りと説教の後、老人は家族に一族の由来を話し、家族の平安を祈ります。その後、家族は時間をかけて葬儀の準備をします。

 家族葬の会は、この姿に「本来の意味での葬儀=家族葬の原点」のを見出しました。葬儀において家族の死を知ることは、特に子供たちにとって貴重な経験です。しかし、静かな葬儀でなければ、家族の死を実感することはできません。

 付き合いや義理の会葬者のいない家族葬は、家族がゆっくりと故人の死を噛みしめ、いたみ、同時に自分の死を(同時に生を)考える(同時に生を)貴重な体験になるはずです。家族葬は必要だというだけではなく、家族葬の意義にもまた大きなものがあります

葬儀と家族葬の違い

 葬儀と家族葬の違いは、家族葬という言葉の定義が明確でないためにはっきりとはしていません。NPO 家族葬の会では、家族葬を一般の葬儀と区別しておよそ次のように考えています。

 家族葬は「故人を知る人たちが参列する葬儀」だということです。通常葬儀といえば、故人と地域社会や職域社会とのお別れの場であり、同時に「その家の代替わり」を象徴する儀式でもありました。したがって葬儀には多くの人の参列をお願いする必要がありました。

 それに対して家族葬は、故人との別れにいわば純化した葬儀です。故人を知る人が参列すると考えれば、参列者は家族、親族、そして故人の友人などということになります。

 家族葬の参列者がいわば身内ばかりであるという理由で、葬儀そのものは小規模なものになります。家族葬は一般の葬儀に比べて費用ももちろんかかりません。普通お通夜といえば、焼香を終えた会葬者が次々とお清め所に入って行くという落ち着かない雰囲気になりますが、家族葬の場合は参列者全員が葬儀式場内に着席し、読経が終われば全員でお清め所に移るという具合です。また、葬儀式場の飾りなども特に外回りなどは省略されることがほとんどです。

納骨か散骨か

 納骨
 葬儀の後 49 日の法要後、納骨をします。墓所に法要をする場所があればそこで法要をし納骨をするか、墓石屋さんに頼んで墓前で簡単な儀式を行い納骨します。あるいは、儀式を何もせずにただカロートをあけてもらい納骨をします。通常、墓石屋さんに相談をすれば、すべて段取りをしてくれます。ただし、墓地の費用は誰でも知っているとおり非常に高く、だれでもが墓地を持つことが出来るという時代は終わりました。

 散骨=自然への回帰
 日本人の人生観には、昔から自然への回帰を尊ぶ風潮があり、散骨を望む人が急速に増えています。また、お墓を持つ必要がないと考える人たちや、お墓を持っていても後々子や孫に負担を与えたくないと考える人たちの間でも散骨が広がってきています。
 現代人は、生物が海水の中から発生したという意味で、海はいのちの源であることを知っています。また、人間が海や大地の恵みによって生きているということもあって、海への散骨はいかにも「還る」という言葉にふさわしいものです。
 海への散骨は、通常 30~40 分かけて人目のない海上に出て行います。しかし、陸地ということになると、墓地の指定を受けた場所に限られています。家族葬の会では散骨が可能な山などもご案内することが可能です。お気軽にご相談ください。