葬儀、あるいは葬儀業界でよく使われるお葬式用語を分かりやすく、簡単に、それでいて実用的に解説いたします。記載されている用語やその他ご不明点があれば、お気軽にご連絡ください。なお記載されている用語やその解説内容については、時代やその時の状況と共に修正または変更することがあります。

「あ~お」の用語

後飾り(あとかざり)

火葬後納骨までの間遺骨を安置し、お線香などをあげる机。机の上には香炉、りんなどとともに遺骨や写真などをおきます。

位牌(いはい)

戒名を書いた札のこと。葬儀から49日法要までは白木位牌を使います。その後塗りなどの位牌に変えます。

お清め(おきよめ)

通夜の振る舞い料理のこと。通常大皿から取り分けて食べます。かつてはお酒がつき物でしたが、今では車での参列者が多いのでお酒の量少なくなりました。葬儀の後の食事は、精進落しといいます。

お清め塩(おきよめしお)

仏式の葬儀においては、浄土真宗を除いて、葬儀後に自宅へ帰ったときなど塩を振りかけて、体を清めます。死体が不浄であるという考えは、古代インドにあり、「マヌ法典」には葬式に参列した者は、体を清め無ければならないと書いてあるそうです。また、仏教においても、釈迦は葬式に参列した者は、体を清めるよう命じたといわれています。しかし、釈迦が迷信にではなく、衛生上の理由でそう命じたことは、「遺体に触れた者は沐浴し衣類も着替えるよう、遺体に触れなかった者は手足を洗うよう」命じたことからわかります。死が原因不明の出来事であった時代には、インドに限らずどこででも、病で(とくに伝染病などで)倒れた死者を危険な存在とし、それにかかわった者を清めなければならないと考えたと思われます。しかし、どこででも塩を清めのために使用したわけではなく、考え方の違いのが大きいのがわかります。科学が発達した現代でもお清め塩にたいする需要は減りません。

お布施(おふせ)

僧侶への謝礼のこと。謝礼を入れた袋に「お布施」と表書きします。神式の場合には「玉串料」あるいは「お礼」、キリスト教式の場合には「お礼」と表書きします。金額はさまざまです。直接お寺に問い合わせるのが賢明です。支払える金額に限りがある場合には、そのことも率直に言ってご相談ください。

音楽葬(おんがくそう)

僧侶による読経に代えて、音楽の演奏によって故人を送るというものです。式場に楽器を持ち込み、演奏者を招いて、故人が好きだった曲などを聴きます。

「か~こ」の用語

会葬返礼品(かいそうへんれいひん)

会葬礼状と一緒に、香典を下さった会葬者に渡します。1個500円~1,000円程度のハンカチやお茶などです。

会葬礼状(かいそうれいじょう)

葬儀に参列し香典を下さった人にお渡しするお礼状。通常封筒に礼状と塩(これは浄土真宗を除く仏教のみに使われる)が入れられている。

戒名(かいみょう)

本来は、仏門に入るため戒めを受け、同時に戒名を授かります。現在では仏門に入るのではなく死んだときに戒名をつけます。戒名を授かることによって仏門に入ったこととするというわけです。(ただし、生前に戒名をいただくこともあります。その場合でも仏門に入っていただくことはめったにありません。)戒名(浄土真宗では法名)は宗派によってさまざまです。

火葬(かそう)

(1)遺体の処理の仕方のひとつ。現在でも世界各地には土葬、水葬、鳥葬などがあるが、人口の増加や墓地の不足などのため火葬が埋葬方法の中心になっています。日本においても、各地方自治体の条例によって火葬するよう定められている。部分的には土葬も認められており、各地にひっそりと残っているようです。ちなみに、火葬は明治末ごろに全体の30%程度、50%を超えるのは、ようやく昭和30年ごろのことで、それまでは土葬が主流でした。(2)日本では、死亡診断書記載の死亡時刻から24時間は火葬はできません。(3)火葬は、火葬炉に入れて約1時間程度、その後10~15分間程度収骨にかかります。(4)火葬は、日本では骨の形状を残すため約900度で行われるようです。それ以上の温度では骨ではなく灰になるようです。

火葬式(かそうしき)

葬儀を省略し、火葬のみを行うこと。直葬ともいう。近年火葬式は家族葬とともに非常に増加しています。

火葬場(かそうば)

火葬をする場所のことです。一部には民営の火葬場もありますが、ほとんどは公営です。ただし、東京では民営が主力です。

家族葬(かぞくそう)

家族葬は、「家族の絆を確かめながら故人との最後の別れをの時間を送る」ため、参列者は家族だけに限りません。どなたに会葬していただくかは遺族が判断しますが、親族や親しかった人などがその対象になります。香典を受け取るかどうかなども、遺族の判断になります。参列する側は、「家族葬なので」と会葬を断られたらそれを受け入れましょう。香典のことも同じです。それでは気がすまないと思う場合は、葬儀終了後折を見て「お線香を上げたいのですが」と連絡を入れて、受け入れられればお花でも持って訪ねるのが無難です。いずれにせよ遺族の考えを尊重してください。

釜(かま)

火葬炉のこと。

供花(くげ)

祭壇の両脇に名札をつけて飾る花かざり。このほか果物かごも名札をつけて飾られます。昔は表の道路に大きな花輪を出しましたが、今では禁止されていることが多いため供花が主力になりました。

北枕(きたまくら)

死亡が確認され自宅へ帰ってくると(自宅で死亡した場合も)遺体は北枕で寝かされます。これは釈迦が入滅(死んだ)時の姿(頭を北に向け右側を下に)を真似ておこなわれるものです。おそらく釈迦は当時の誰もがそうしたであろうような姿勢でなくなったのでしょう。あるいは、西方にあるといわれていた浄土を向いて亡くなったのかもしれません。北枕についてはずいぶん調べましたが。中村元先生も「当時のインテリの常識である」と述べておられるだけで、それ以上詳しい根拠を示しておられません。釈迦も当時のインドに生きた一修行者であったわけですから、単にそれを普通のことしてこととして相したに過ぎないのかもしれません。日本では北枕にはしますが、右側を下にすることは行われません。これはたぶん日本人が普段寝る時に上を向いているからではないでしょうか。

清め塩(きよめしお)

葬儀から家へ帰ったときに清め塩を振りかけて、穢れをはらうという習慣があります。もともと、神道では死を穢れと考え、それを塩で清めると考えましたが、これが仏式葬儀にも取り入れられたものです。確かに塩には殺菌力があることは古くから知られていたようです。人の死の原因がよくわからなかった時代には、伝染病などへの恐怖から、塩でそれを清めようとしたのではないでしょうか。しかし、現代では塩の殺菌力は実用的ではありませんし、実際塩をまいて清めようとするのは、死を自分から遠ざけようとしているかのようです。清め塩は、もともと死を穢れと考えた神道から発しているようですが、仏教は江戸幕府の支配体制に組み込まれ、いつの間にか権力に追随する習慣が付いたのか、神道を優遇する明治政府の朝令暮改のような方針に揺れ動きます。神仏習合という言葉に表されるよう、寺が神社になりまた寺になるなど朝飯前でした。秩父の三峰神社は3度寺になったり神社になったりしたそうです。神道は教義も無く宗教とはいえませんが、仏教のほうは教義も立派に整った宗教ですから、時の権力者の言うがままに右往左往してきたとは情けない限りです。いまだにお清め塩が必要だなどという僧侶を見るとなんとも言いようがありません。

キリスト教式葬儀(きりすときょうしきそうぎ)

キリスト教による葬儀です。神父(カソリック)や牧師(プロテスタント)が儀式を執り行います。式は結婚式と同様教会で行われることが普通です。キリスト教においては、葬儀は「過ぎ越し」つまり、「死は永遠に続く生の区切りに過ぎず、葬儀はしたがって、人にとっての終わりを意味するのではなくて、永遠の命を得ることを意味する」儀礼です。また、死者のためだけにではなくて、残された者のために祈る儀式でもあります。キリスト教にとっては、死は人が神に召されるわけですから、悲しむべきものではないということになります。キリスト教の葬儀に際しては、「悔やむ」、「冥福」などの言葉は、避けたほうがいいでしょう。結婚式はキリスト教式がはやっているようですが、お葬式には浸透が遅いようです。やはり、日本人には葬式は仏式が好まれているようです。

供養(くよう)

死者への加護を願い法要を行うこと。追善供養と同じ。個人の生前の善行の足りなかったところを補うために行う供養のこと。具体的には、寺や僧侶に対する供物や寄進などを意味する。

香典(こうでん)

葬儀に参列する人が、香の代わりとして霊前に供えるため、葬儀を行う人(喪主・施主)に対して渡すお金。仏式では「ご霊前」、神式では「玉串料」あるいは「ご霊前」、キリスト教式では「お花料」などと表書きします。家族葬などでは香典を辞退されるも多くなっていますが、その場合には素直に遺族の考えを受け入れましょう。

香典返し(こうでんがえし)

いただいた香典に対するお返しです。(1)通常香典の半額程度(送る場合は送料込みで)をこれに当てます。(2)最近では名簿を整理する手間を省くため、「即返し」といって、通夜や葬儀の当日に香典返しをすることもあります。(3)香典返しは、49日の法要後にするのものなのですが、それより前にすることが多いようです。

香典袋(こうでんぶくろ)

香典を入れる袋。仏式では通常49日までは「ご霊前」、それ以降は「ご仏前」と表書きします。

告別式(こくべつしき)

葬儀において僧侶の読経終了後、棺に花を入れるなど最後のお別れが行われます。これを告別式といいます。通常葬儀と区別しません。

心づけ(こころづけ)

霊柩車などの運転手や火葬場の火夫等にわたす謝礼。

骨壷(こつつぼ)

遺骨を入れる通常陶器製の容器。色・形などいろいろとあります。関東では高さが成人男性7寸(約21センチ)、成人女性6寸(約18センチ)が標準です。関西ではそれより小さい5寸(約15センチ)が標準のようです。この差は、関東では遺骨のすべてを骨壷に入れるのに対して関西では一部をいれるからです。関東で火葬して関西で納骨する場合など、骨壷から布袋に移し変えるなどする必要があります。(関西で納骨するから小さな骨壷に入れてほしいといっても関東ではしてもらえません。)

「さ~そ」の用語

散骨(さんこつ)

海や山に撒くこと。墓地が高価で手が出なかったり、墓地の維持に不安があるなどの理由で、散骨は広がりを見せています。散骨は法律で禁止されているわけではありません。ただし、他人から見て不愉快に感じられないようにする必要があります。海の場合はかなり沖に出て散骨しますし、山の場合には墓地指定を受けた土地にしなければなりません。散骨には、委託散骨と個人散骨があります。委託散骨は業者に委託して、業者の都合のよいときに、他の人と一緒に散骨してもらいます。

死体検案書(したいけんあんしょ)

自殺や事故など死亡時の状況が医師によって確認されなかったときには、遺体は監察医によって死因等が確認される(検案)ことになります。その結果、が記されたものが死体検案書です。死体検案書は、死亡診断書と同じ扱いがされます。つまり、役所の戸籍係りが受理し、火葬許可証が発行されます。

死亡診断書(しぼうしんだんしょ)

(1)医師が発行する死亡を確認する書類。原本には医師の署名があればよいが、コピーには医師の印が必要です。(2)通常はA3の紙の左側が死亡届、右側が死亡診断書になっています。

死亡届(しぼうとどけ)

死亡を知ってから7日以内に、死亡届に必要事項を記入し、(保険の受け取りなどに必要なことがあるため)コピーをとった後、死亡者の死亡地か本籍地あるいは届出人の住民登録のある市区町村役場の戸籍係に提出し、火葬許可証を受け取ります。(通常届出は、葬儀会社の仕事です。届けには印鑑が必要な場合があります。三文判でよいが、シャチハタはだめ。)火葬許可証が無ければ、火葬はできません。死亡届の受け取りと火葬許可証の発行は、通常24時間365日行われます。ただし、まれに休日には死亡届の受け取りと火葬許可証の発行を行わない地方自治体もあり、その場合には火葬の日程に影響することもあります。

収骨(しゅうこつ)

火葬後骨壷に遺骨を入れること。このときに、二人でひとつの骨をつまむ「共箸」というやり方で、骨壷に入れる

収骨容器(しゅうこつようき)

骨壷のこと。

焼香(しょうこう)

遺体と祭壇の前で抹香を焚くことです。線香をあげることと意味は変わりませんが多人数でお線香をあげるのは困難ですから、抹香をたきます。いずれにせよ、遺体から発するにおいを紛らわすためであったようです。今では抹香を焚くことがそれなりに意味があると捉えられており、回数を問題にしたり、持った真っ向を顔のところまで上げてから香炉に入れるなど作法ができてきています。

初七日法要(しょなのかほうよう)

仏教では、死者は7日ごとに7回審問を受けるとされています。審問をくぐり抜けるのために生きた人間が供養(お寺への貢献)をするというもので、その初回が初七日で、最後が49日です。初七日にはお坊さんに読経をしていただきます。初七日は死んだ日を入れて7日目のことですが、現在では遺族が集まるのが困難だという理由で、火葬直後におこなったり、葬儀式中に行うことが多くなっています。

神式葬儀(しんしきそうぎ)

神道による葬儀=神葬祭のことです。仏式葬儀がしばしばお寺の本堂や寺内の施設で行われたり、キリスト教葬儀が教会で行われるのに対して、神道では死が穢れたものとされているため神社では葬儀は行いません。神主が祭主となって葬儀を執り行います。神式葬儀には御霊移しや玉串奉でん(焼香に当たる)など独特の儀式を含んでいます。神式葬儀は明治政府の方針によって許可されたり禁止されたりしましたが、とくに鹿児島などにおいて盛んだったようです。

葬儀・葬式(そうぎ・そうしき)

死者の来世の幸せを願ったり、死者の魂を鎮めるための仏教式や神道式、キリスト教式など宗教的儀式。したがって、本来は「無宗教式葬儀」というのは矛盾しているが、死者を思い、悼み、死者と別れるための、個人的な行為という意味では特定の宗教に関係が無くても、いわば宗教的故意なので、矛盾していといえます。

精進落し(しょうじんおとし)

段払いともいいます。葬儀後の食事のことです。火葬終了後、還骨供養(あるいは初七日法要)を行い、その後、弁当形式の食事をとります。僧侶も一緒に召し上がるのが普通です。

出棺(しゅっかん)

遺体が、火葬場へ向かって式場を出ること。

施主(せしゅ)

葬儀費用を負担する人。通常、喪主が施主となりますが、そうでないケースもしばしばあります。

粗供養(そくよう)

葬儀や法要の会葬返礼品や香典返しのことです。関東ではあまり使われない言葉です。

「た~と」の用語

荼毘(だび)

仏教用語で火葬のこと。火葬することを「荼毘に付す」といいます。

檀寺(だんでら)

江戸幕府が採用した檀寺制度とは、檀寺が檀家の人々の旅行や移住の際に必要な証文を出したり(寺請制度)、宗旨人別帳(戸籍)を作成したりした。この制度は、このように幕府が寺を民衆支配の制度に組み入れる同時に、寺に対しては檀家の葬儀を行う権限を保証した。この寺を檀寺といい、檀寺によって管理される人を檀家といいました。こうして、仏式の葬儀・法要が定着するようになりましたが、とくに日本の農村部においては家制度が長く続き、檀寺に墓墓があることもあって、いまだに檀寺制度が続いています。しかし、都市への人口の流出が続いたこともあり、檀家人口が減り、檀寺も少なくなってきています。現在では、昔から続く檀寺ではなくても、たんにお墓のある寺や付き合いのある寺を檀寺と呼ぶこともしばしばです。

弔辞(ちょうじ)

死者を弔う言葉。弔詞。故人ともっとも関係が深かった人が、故人へ捧げる最後の別れの言葉。一般的には遺族の要請を受けて葬儀もしくは告別式において述べる。

通夜(つや)

葬儀・告別式の前夜、僧侶による読経と会葬者の焼香が行われます。通常の葬儀では一般の会葬者は通夜に参列することが多く、時によってはごった返します。本来は、近親者が遺体に付き添ってすごします。昔は一晩中線香を絶やさず過ごしましたが、今では自宅での葬儀など以外は一晩中線香をつけることはできません。(葬儀にまつわる他のことと同様、通夜のいわれもはっきりしていません。一説には、死亡を確認するためだったといわれています。火葬が死亡確認から24時間は行えないことと同じです。)線香の火は無くても、故人とのつながりにひとつの区切りをつけるときですから、ゆっくりとお別れをする貴重な時間です。

通夜振る舞い(つやふるまい)

お清め(通夜料理)のことです。

共箸(ともばし)

収骨に際して2人で1つの骨を箸先で摘まんで骨壷に入れること。一人ずつはさむと死者に引っ張られるかも知れないと恐れて、二人で骨をはさむという迷信です。(なんとなく友引に似ています。)由来は定かでないのですが、土葬が行われていたときには無かったのですから、少なくとも明治以上に遡る習慣では無いでしょう。

友引(ともびき)

一般的には、火葬を行わ(え)ない日です。(1)六曜(先勝・共引・先負・仏滅・大安・赤口の6種)の一つ。友引とはもともとは賭け事において勝ち負けの無いこと(共に引く)をいいました。現在では「弔事に友を引き込む」というような意味に使われていますが、本来の友引にはこのような意味は無く、迷信に過ぎません。(2)葬儀では、他に休業日が無いことなどから、友引の日に休業する火葬場が多く、この日に葬儀(火葬)を行わないのが一般的です。しかし、友引に営業する火葬場も増えています。僧侶の中にもこの日の葬儀を拒否する人もいますが、もともと仏教と六曜には関係がありませんから、たいていは大丈夫です。

「な~の」の用語

新盆・初盆(しんぼん・あらぼん・にいぼん)

故人の死後、始めて迎えるお盆のことです。お盆の間は、精霊に自分の家を教えるため、提灯を飾ります。(提灯は、親戚などから贈られたりします。)また、仏壇の前に精霊棚を設け、初物の農作物でつくった供物を飾り、供養膳に精進料理を盛って供え、僧侶が読経します。

年忌法要(ねんきほうよう)

一周忌、三回忌など年単位の法要です。

納棺(のうかん)

遺体を棺おけに入れる、仏衣(死に装束)をかけたりし火葬の準備をすること。

納棺花(のうかんばな)

納棺した遺体に、慰めのため花をかけること。

納骨(のうこつ)

火葬した遺骨を、お墓に納めることを言います。(埋葬と同じ。散骨も同じです。)仏教式では通常49日法要(死んでから49日後に行われる)後、納骨をします。しかし必ずしもそうとは限りません。お寺によっては火葬直後に納骨をするところもあります。もともと土葬の場合には葬儀後すぐに土葬し、49日と埋葬を直接関係付けることは無かったのですから。

「は~ほ」の用語

墓(はか)

墓という字は、「土」と「莫」からなっています。「莫(ボ)」は、「覆い隠す」という意味ですから、「土」で死者を「覆い隠す」=墓という意味になります。ちなみに、「暮」は「日」を覆い隠すという意味から、日が暮れるという意味のようです。

ひつぎ(棺・柩)

棺は棺おけのこと。昔は座棺でしたが、今では寝棺です。棺に遺体を入れたら柩になります。

仏具(ぶつぐ)

通夜・葬儀の際僧侶が使用する道具。りん、香炉、焼香炉、ろうそく立てなどです。祭壇の前に前机がありその上に載っています。僧侶は前机の前に座って読経します。

仏式葬儀(ぶっしきそうぎ)

仏式葬儀とは仏教による葬儀です。僧侶が戒名をつけお経を読み儀式を執り行います。日本において、宗教が一般人の葬儀と最初に結びついたのが仏教ですが、歴史は浅く江戸時代の寺受け制度(幕府の命令によって作られた戸籍を寺が管理する制度)の成立(1635年)からです。それまでも仏教は貴族や武家などの葬儀を行いましたが、その人たちは、生前に仏門に帰依し戒名を受けていました。

法要(ほうよう)

死者のために追善供養をする場。初七日法要や49日法要などがこれに当たる。

保管室(ほかんしつ)

遺体の保管室の意味。たいていは冷蔵庫がずらりと並ぶ専用の部屋です。火葬場や東京では搬送業者が経営しています。

本葬(ほんそう)

本葬は、近親者のみでを行った後おこなうもので、一般的な葬儀が遺族や近親者とのお別れの場であるのに対して、本葬は会社、団体、地域社会などとのお別れの場です。

「ま~も」の用語

枕飾り(まくらかざり)

死亡後自宅に帰り安置された遺体の前に置かれるりんや香炉が置かれた小さな机。また、枕机には枕飯や枕団子などがお供えとして置かれます。ここで僧侶が枕経を上げたり、弔問客や家族が線香を上げます。

守り刀(まもりがたな)

遺体を安置してから火葬までの間、遺体を守る魔よけとして遺体の上に刃物を置きます。

密葬(みっそう)

(1)本来は本葬を前提として近親者のみで行う葬儀。(2)現在では、(1)の意味に加えて、本葬を前提としない近親者のみで行う葬儀を意味することもある。(3)さらに、密葬という言葉の雰囲気から「儀式をせず火葬のみを行う」いわゆる「火葬式」を意味することもある。

命日(めいにち)

人(故人)が死亡した日。死亡した年月日を没年月日(ぼつねんがっぴ)という。月々に巡ってくる命日を月忌(がっき)、年に一度巡ってくる正忌日(しょうきにち)を祥月(しょうつき)命日という。

冥福(めいふく)

「ご冥福をお祈り申し上げます」などと、死者の来世での幸せを願う意味で、遺族を慰めるために言う言葉。ただしこれは仏教用語で、キリスト教や神道では使いません。

喪主(もしゅ)

葬儀を主宰する人。通常、故人の連れ合い、親、子などが喪主になる。

「や~よ」の用語

友人葬(ゆうじんそう)

創価学会員の葬儀。創価学会は、1991年日蓮正宗から破門されるかたちで分離し、以降独自の活動を続けています。創価学会員の葬儀である友人葬では、僧の代わりとなる「導師」(高位の学会員)が派遣され、葬儀を執り行っています。

湯灌(ゆかん)

遺体を清めること。希望すればバスタブを持ち込んで体を清めることもできます。しかし、たいていは病院で清潔に暮らしていることが多いので、改めて体を洗ったり拭き清めたりする必要はありません。そのため現代の湯かんは、遺族がウェットティッシュ等で体の表に出ている部分を軽く拭く程度になっている。

「ら~わ」の用語

礼拝(らいはい)

神仏を敬って拝むこと。特に仏教で、仏・菩薩(ぼさつ)に合掌低頭して敬意を表すことを意味する。法要などで仏を拝む行為およびその様式の意。

霊安室(れいあんしつ)

病院などで遺体を一時保管する部屋。病室から霊安室へは、病院の契約業者がストレッチャーで運びます。この部屋で式場などへ搬出されるのを待ちます。公立病院や大学病院などでは通常2~3時間で、霊安室から搬出するよう求められます。

霊園(れいえん)

霊園(れいえん)とは、公園のように明るく綺麗な環境をもつ墓園(墓苑、共同墓地)の名称として使用されている呼称。公園墓地や庭園墓地などを指す。東京都豊島区にある雑司ヶ谷霊園の面積は約11万5000平方メートルあり、夏目漱石・永井荷風・泉鏡花・小泉八雲等の墓があることで有名。

礼拝(れいはい)

神や仏などを拝むこと。仏教のみ「らいはい」と読み、それ以外の宗教では「れいはい」と読まれている。キリスト教では、神に対する奉仕行為、あるいは儀礼一般のような間接的行為を意味しており、狭義では教会における儀礼一般を指すが、教派によって言葉の意味、概念、思想が異なる。

霊柩車(れいきゅうしゃ)

棺を火葬場へ運ぶ車。以前は屋根に飾りをつけた宮型車が多かったが、今では宮型車の出入りを禁じた火葬場もあり、黒塗りのバン型車のほうが多くなっている。