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トピックス (5)「幸せな遺影」撮ります・団塊はいま
 (2008年8月23日朝日新聞)

 
 59歳の写真家・能津喜代房さんが、広告写真の世界から遺影写真を撮ることを決意したのは、妻の父親の葬儀の際に遺影にする写真を探すのに苦労したことがきっかけだったそうです。5年前に85歳の自分の父親(今もご存命)の遺影写真を撮ったのが最初だったそうです。表情豊かなその写真は、体も弱った90歳の今ではもう撮るのは難しいそうです。人とがらを表すことができた写真を撮っておいて本当によかったと能津さんは述べられています。その後「素顔館」と名づけたスタジオを自宅に造り、本格的に遺影を撮り始めたそうです。「遺影は家族にとって貴重な写真・幸福な写真です」と語っておられます。
 私たち葬儀屋も仕事をしていて、なかなかよい遺影の元写真に出会うことができません。前もって準備されている方はまれで、たいていの場合は普通のスナップなどをお預かりして加工をするのですが、表情や撮影条件などの点で、なかなか難しい物です。中には免許証の写真を拡大することもあります。(また、最近ではデジカメ写真をお預かりすることも多いのですが、フィルム写真のほうがデジカメ写真に比べて、引き伸ばしに強いようです。)
 写真が少ないのは、写真を撮られるのを嫌がったというのが最も多い理由です。よく考えてみると、日本人は写真を撮られるのが下手です。元来が恥ずかしがり屋なのでしょうが、カメラを向けられると表情が硬くなり、カメラに食いつかんばかりの顔になってしまいます。ニュース映像にうつる人の表情も、日本人だけがとられるのを嫌がって、横を向いたり硬い表情になってしまいます。また、アメリカ映画などによく出てくる家族の記念撮影を改まってする機会も少ないように思います。それもあってか、子供の結婚式の記念撮影を遺影に使うことも多くあります。
 よい写真を用意するには、たくさん写真を撮られることが大切です。訓練を重ねれば自然とよい表情の写真が撮れます。また、「レンズから少しだけ目をそらす」、「笑顔を練習する」、「幸せなことを考える」などの具体的な提案を実行してみるのもいいのではないでしょうか。
 これを読まれた皆さんは、訓練をして、家族に幸せを感じさせることができる1枚を準備しておくことをぜひお勧めします。よい記念写真になります。
 
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